MOVIE MARBIE

新型コロナウイルスをはじめ、暗いニュースが多い昨今ですが、スポーツ観戦をしているときはそんなことを忘れさせてくれます。人々の心を熱くさせるスポーツは、映画との親和性も非常に高く、これまで数々名作スポーツ映画が製作されました。そこで今週の「今夜何観る」は観る者の胸を打つ熱いスポーツ映画を特集します！

『ALI アリ』(2001)

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多くの観客を熱狂させるスポーツですが、必ずしも万人に応援されるわけではありません。時にはその言動がバッシングの対象になり、中には国家権力と対峙することもあります。本作の主人公であり、実在する伝説のボクサーであるモハメド・アリもその一人です。

「蝶のように舞い、蜂の様に刺す」とも表現される華麗なファイトスタイルで有名だった彼ですが、マルコム・Xに出会い共感し、イスラム教に改宗。ベトナム戦争の徴兵を拒否し米国政府と長年争っていました。彼はそれがどんなに困難であっても、自分の持つ信念を貫き通し生きることを、いかなる局面でも選択したのです。私たちの多くは、自分の信念を折ってしまうこともありますが、彼は絶対にそれはしませんでした。

もちろんこの映画のボクシングシーンの迫力も素晴らしいですが、それ以上にこの映画の魅力は、どんな圧力にも屈しない一人の人間の強さを描いている点です。そしてスポーツには社会の圧力や差別を跳ね返す力があるんだとこの映画は教えてくれます。モハメド・アリという一人のボクサーの真の強さを、この映画を観て感じてみてください！

＜ストーリー＞
モハメド・アリがまだ本名のカシアス・クレイを名乗っていた1964年、彼はそれまでのチャンピオン、ソニー・リストンを破り世界ヘビー級王座を獲得した。自ら“蝶のように舞い、蜂のように刺す”と評した当時のヘビー級では革命的なボクシングスタイルと、畳み掛けるような話し方に乗せて繰り出される挑発的な発言で一躍スーパースターへと上り詰めたアリ。しかしイスラム教へ入信、ベトナム戦争での徴兵拒否によるタイトル剥奪で一転過酷な試練に直面。政府との法廷闘争に勝利したアリは失った名誉を真に取り戻すべく、王座獲得に再び乗り出すのだったが……。

監督：マイケル・マン

キャスト：ウィル・スミス、ジョン・ヴォイド　ほか