6月に入り、本格的に梅雨の季節になってきた日本。雨を歓迎する人間は決して多くはないが、映画の中で「雨」というのは非常に印象的なシーンを生み出してきた。そこで今週の「今夜何観る」では雨が物語を動かす映画を特集。
『七人の侍』(1954)
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日本映画史だけでなく、世界の映画史的にも名匠と言われている、日本が世界に誇る映画監督といえば「黒澤明」だ。その黒澤明の代表作といえば言うまでもなく『七人の侍』だ。この映画の一番見せ場である七人の侍と野武士の決闘シーンの天候は雨だ。
この雨のシーンは真冬に撮影され、しかも雨の重さや迫力をさらに増加させるために墨汁を混ぜて撮影に挑んでいる。降りしきる雨の中、刃が交わる音がする。七人の侍と野武士の迫力満点の決闘シーンは映画史に残る名場面と言えるだろう。この決戦のシーンは世界中の映画関係者や映画ファンを驚かせた。
と言うのも、当時はまだハリウッドの西部劇映画が隆盛だった時代。西部劇の決闘シーンと言えば晴れた空のもと、砂塵が吹く中で行われるのが主流だった。黒澤明もジョン・フォードを尊敬しており、その西部劇の素晴らしさを感じる一方で「アメリカの西部劇では常に晴れている、だから雨にしようと思った」と語っている。当時としては型破りのシーンだったに違いないが、そんな黒澤明の挑戦心が結果として素晴らしい映画を生み出した。このシーンの雨は、物語上重要なシーンであるのはもちろんだが、映画史的に見ても重要なシーンだったのだ。
<ストーリー>
時は戦国時代のとある貧しい農村。農民たちは野盗と化した野武士たちの襲撃を恐れ、おののいていた。そこで村を守るために用心棒を雇うことを決意、食うに窮する七人の侍を探し出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。
監督:黒澤明
キャスト:三船敏郎、志村喬氏 ほか
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