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暴力、セックス、ドラッグ、反体制・・・映画の歴史を変えたアメリカン・ニューシネマ特集③ 『ペーパー・ムーン』

2月1日より『イージー★ライダー』の日本公開50周年を記念したリバイバル上映が行われる。そこで今週の「今夜何観る?」は一大ムーブメントを巻き起こした“アメリカン・ニューシネマ”作品を特集する。60年代後半から約10年間、アメリカ映画界を牽引してきたアメリカン・ニューシネマからは今も語り継がれる名作が数多く誕生した。その軌跡を辿る。

『ペーパー・ムーン』(1973)
ニューシネマらしくないが、紛れもなくニューシネマ

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アメリカン・ニューシネマの多くは悲しい結末で終わることが多いが、その中でもこの映画は数少ない、ホッコリした気持ちで見ることが出来る映画だ。ストーリーはもちろんなのだが、やはりテイタム・オニールの存在が大きいだろう。主演のライアン・オニールの実の娘である彼女は本作で母を亡くした女の子アディを演じており、当時10歳にも関わらずアカデミー賞助演女優賞を受賞している。

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しかし、彼らの境遇は一見すると苦しい立場だ。世界恐慌の時代、主人公のモーゼは聖書を売りつけながらお金を巻き上げることで生計を立てているし、彼女に同行するアディは母親を交通事故で亡くしている。お互い決して恵まれた環境にいるわけではない。そんな環境下で2人が親子愛に似た友情を育むことが魅力なのだ。

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一見するとニューシネマっぽくない作品だ。しかし、彼らは他のニューシネマ作品同様、社会からはみ出た人間だ。そんな彼らでも、小さなものではあるかもしれないが、幸せをつかむことが出来る。それこそが大事なのだ。反体制の人間にも幸せをつかむ権利はある。そう解釈するのであれば、この映画も立派なアメリカン・ニューシネマと言えるだろう。

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【ストーリー】
聖書を売り付けて小金を稼ぐ詐欺師のモーゼが、亡くなった知り合いの娘アディと出会う。彼は嫌々ながら彼女を親戚の家まで送り届ける事になったが、ペテンの相棒としてアディと旅を続けるうち、モーゼは父親めいた愛情を感じていく……。

【キャスト】
ライアン・オニール、テイタム・オニール ほか

【スタッフ】
監督ピーター・ボグダノヴィッチ