クエンティン・タランティーノ作品特集④『ジャンゴ 繋がれざる者』

クエンティン・タランティーノ作品特集④
『ジャンゴ 繋がれざる者』

●タランティーノ版マカロニ・ウェスタン

前作『イングロリアス・バスターズ』からおよそ3年ぶりに放った『ジャンゴ 繋がれざる者』(2011年)は、タランティーノ監督ならではの異色の西部劇だ。

元々生粋の映画オタクであるタランティーノ監督だが、当然『荒野の用心棒』(1964年)などに代表される”マカロニ・ウェスタン”の大ファンでもある。
その代表作のひとつ『続・荒野の用心棒』の原題は、主人公の名前でもある『Django』(ジャンゴ)。タランティーノ監督は、名作のタイトルと主人公の名前をオマージュしただけでなく、マカロニ・ウェスタン特有の残酷描写や、リアリティを度外視した演出もしっかりと踏襲。そして、同作で主人公ジャンゴ役を演じたフランコ・ネロもカメオ出演している。

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しかし、ただのオマージュでは終わらないのがタランティーノ監督の真骨頂。大好きなマカロニ・ウェスタンはもちろん、かねてからアメリカの暗い過去である”奴隷制度”を扱った映画を作りたかったタランティーノ監督。マカロニ・ウェスタンの様式美に、アフリカ系アメリカ人の賞金稼ぎという大胆な設定を入れ込むことで、イタリア製の西部劇にはないアメリカ人独自の視点を持った新たなマカロニ・ウェスタンが完成したのだった。

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【あらすじ】
南北戦争直前のアメリカ南部。ある日、黒人奴隷のジャンゴはドイツ人の賞金稼ぎのシュルツと出会い、彼のターゲットである男の顔を知っていたことから自由の身となる。シュルツは黒人であるジャンゴを白人と対等に扱い、彼が生まれ持った銃の才能を見抜いたシュルツは、ジャンゴを賞金稼ぎに育て上げる。2人は協力し、次々とお尋ね者たちを始末していくが、ある日、ジャンゴは奴隷市場で生き別れになった妻が、極悪非道の農園領主カルヴィン・キャンディのもとにいるとわかり、2人はキャンディのもとへと赴く。

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悪役キャンディを演じるのは、初の悪役となるレオナルド・ディカプリオ。とても『タイタニック』で世界が恋したスターとは思えないクソ野郎っぷりは、本作の大きな見どころだ。そしてジェイミー・フォックス演じるカッコよすぎる主人公ジャンゴ、合理的でクレバーに見えて絶対に譲れないものがある、クリストフ・ヴァルツ演じるシュルツ。そして、出て来た瞬間ただものではないことがわかる、キャンディの黒人奴隷を演じるサミュエル・L・ジャクソン。

そんな人気と実力を兼ね備えた俳優陣によるクセのあるキャラクターたちを、スクリーンで見事に共鳴、躍動させてみせるタランティーノの手腕はさすがの一言だ。

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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年)

監督・脚本:クエンティン・タランティーノ

キャスト:ジェイミー・フォックス、クリストフ・ワルツ、レオナルド・ディカプリオ、ケリー・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソン ほか

 

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